オテロ

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NOV 2024

 

オテロ – ジュゼッペ・ヴェルディ
二部構成、四幕のオペラ、イタリア語上演、ハンガリー語、英語、イタリア語の字幕付き
上演時間: 3時間15分、1回の休憩あり。

 

58歳で引退した後、ヴェルディは次の15年間、新しいオペラを作曲することはありませんでした。ミラノでの決定的な晩餐と音楽出版社ジュリオ・リコルディの執念が、マエストロを新しい作品の作曲に駆り立てることになり、彼はそれを「チョコレート・プロジェクト」と呼びました。
ムーア人のオテロは兵士であり、将軍であり、愛する夫ですが、そのすべての業績にもかかわらず、ヴェネツィアの人々には受け入れられません: 彼は永遠の「黒い」外国人であり続けます。社会に適応しようとする異邦人の脆弱性は、偽りの友人たちに利用されやすく、彼の嫉妬心も同様です。


オテロは、シェイクスピアの悲劇を彼自身の明確にヴェルディ風の音楽で表現した創造的な天才の傑作です。オペラの新しいプロダクションは、国際的に著名なイタリアのアーティスト、ステファノ・ポダによって演出されています。

 

 

あらすじ

時は15世紀末、場所はキプロス島の港町。

 

第1幕

キプロスの港、激しい嵐。島の住民が待ちわびる中、オテロに率いられた船団が帰還する。敵、トルコ艦隊は海の藻屑になったとの勝利報告に住民は歓喜する。カッシオが副官になったことを妬むヤーゴは一計を案じ、酒に弱いカッシオにワインを無理強いする。カッシオは悪酔いし醜態を演じたばかりか、喧嘩の仲裁に入ったモンターノを傷付ける。騒ぎを聞いたオテロが戻ってくる。彼は即座にカッシオを罷免、群衆に帰宅を命ずる。舞台にはオテロと妻デズデーモナだけが残り、愛情を確かめ合う美しい二重唱が歌われる。

 

第2幕

庭園に面する城の一室。副官の座を失ったカッシオに、ヤーゴは「デズデモーナに取成しを頼め」と提案する。オテロが登場。ヤーゴは、庭園でカッシオとデズデモーナが歓談している様子を、さも二人が不貞を働いているかのようにオテロに信じ込ませる。室内に入ってきたデズデモーナはカッシオの赦免を夫に願うが、心中疑念をもつオテロは耳を貸さない。デズデモーナが落としたハンカチは女中エミーリアが拾ったものの、その夫ヤーゴが脅迫の末手中に入れる。ヤーゴとオテロ二人だけが舞台に残り、オテロは「不倫の証拠を見せろ」と迫る。ヤーゴは、「カッシオが夢の中でデズデモーナを求めていた」と作り話をし、また、デズデモーナが愛用していたハンカチ(それはオテロからの彼女への贈り物だった)を、カッシオが持っているのを見た、と吹き込む。激怒したオテロは復讐を誓う。

 

第3幕

城の大広間。デズデモーナは事態の進展に気付かず、またもやカッシオの赦免をオテロに願い出て斥けられる。オテロは「自分が贈ったハンカチはどこへ行った?」と詰問する。もちろん彼女は答えられず、当惑しながら去る。ヤーゴが「今カッシオと話をするので物陰で見るように」とオテロに勧める。巧みなヤーゴの話術に乗ったカッシオは、自分の恋人ビアンカとの顛末を陽気に語るが、遠くで聞いているオテロは、デズデモーナとの恋物語をしていると思い込む。例のハンカチはヤーゴがあらかじめカッシオ宅に落としておいたのだが、そうとは知らないカッシオは「ところでこんな素晴らしいハンカチを拾った」などとヤーゴに披露、遠目に見ているオテロは、いよいよ不貞が証明された、と確信してしまう。オテロとヤーゴは相談の末、デズデモーナはオテロが殺めること、カッシオの始末はヤーゴが付けることを決定する。

ヴェネツィアからの使者ロドヴィーコとその一行が来航し、キプロス島の要人が集合する。オテロはヴェネツィアへ帰任となり、後任の総督はカッシオとなることが布告される。嫉妬心に燃えるオテロは公衆の面前で妻デズデモーナを面罵し、自分は憤怒のあまり気絶する。

 

第4幕

デズデーモナの寝室。デズデモーナは床に就く用意をしている。ここ数日の夫の言動から不吉な予感を覚える彼女は「もし死んだら婚礼の衣装で身を包んでほしい」と、女中エミーリアに依頼する。オテロが寝室に現れ、カッシオとの姦通を詰責する。デズデモーナは抗弁も空しくオテロに絞殺される。エミーリアが「カッシオがロデリーゴを殺した」と急を告げに戻ってくるが、デズデモーナが殺されているのを発見、驚いて人々を呼ぶ。エミーリアは「夫ヤーゴが私からハンカチを奪った」と証言、ロデリーゴが死ぬ前に陰謀の全てを白状した、との事実も明らかになる。形勢不利とみたヤーゴは遁走する。いまや全てを悟ったオテロは短刀で自刃し、妻の遺体に最後の接吻を求めつつ息絶えて、幕。

プログラムとキャスト

指揮者: フレデリック・シャスラン
オテロ、ムーア人、ヴェネツィア軍の将軍: ホセ・クラ、ホヴハンネス・アイヴァジアン
デズデモーナ、オテロの妻: クララ・コロニッツ、ガブリエラ・レタイ・キス
イアーゴ、オテロの旗手: アレクサンドル・アガチェ、ゾルターン・ケレメン
エミリア、イアーゴの妻: ベルナデット・ヴィーデマン
カッシオ、オテロの中尉: ゲルゲイ・ウイヴァリ
ロデリーゴ、ヴェネツィアの貴族: ティヴァダー・キス
モンターノ、キプロスの政府におけるオテロの前任者: ベンツェ・パタキ
ロドヴィーコ、ヴェネツィア共和国の大使: オペラスタジオの学生
伝令: オペラスタジオの学生

 

ハンガリー国立歌劇場のオーケストラ、合唱団、子供合唱団の出演

 

作曲家: ジュゼッペ・ヴェルディ
作詞家: アリゴ・ボイート
演出、セット、衣装、照明デザイン: ステファノ・ポダ
演出助手: パオロ・ジャーニ・チェイ
ハンガリー語訳: ジュディット・ケネシー
英語訳: アーサー・ロジャー・クレイン
子供合唱団の責任者: ニコレッティ・ハイザー
合唱団指揮者: ガーボル・チキ

ハンガリー国立歌劇場

ハンガリー国立歌劇場(ハンガリーこくりつかげきじょう、ハンガリー語: Magyar Állami Operaház)は、ハンガリーの首都ブダペストにあるネオルネッサンス建築の歌劇場。

 

概要

 

1858年創設。グスタフ・マーラーが音楽監督を務め、黄金時代を築いた。以後、エルネー・ドホナーニやフェレンツ・フリッチャイ、オットー・クレンペラー、ヤーノシュ・フェレンチクらが歴代音楽監督として名を連ね、リヒャルト・シュトラウス、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、ヘルベルト・フォン・カラヤンなどの巨匠達も客演指揮を行っている。

初演された主な作品に、バルトークのバレエ「かかし王子」(1917年)、歌劇「青ひげ公の城」(1918年)や、コダーイの歌劇「ハーリ・ヤーノシュ」(1926年)がある。

歌劇場の専属オーケストラはブダペスト・フィルハーモニー管弦楽団の名称で知られている。

なお、同じくフリッチャイやフェレンチクが音楽監督であったハンガリー国立交響楽団(現ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団)は、この歌劇場のオーケストラとは別団体である。

Attila Nagy
© Nagy Attila, Pályi Zsófia
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