カルメル会修道女の対話 エルケル劇場

カルメル会修道女の対話

 

作曲:フランシス・プーランク

台本:ジョルジュ・ベルナノス

原作:ゲルトルード・フォン・ル・フォールの小説「死刑台への最後の女」を基にしたベルナノスの戯曲「カルメル会修道女の対話」

初演:1957年1月26日、スカラ座(ミラノ)

 

 

あらすじ

 

時と所:1789年・革命下のパリ

 

第1幕

第1場:フォルス侯爵邸

フォルス侯爵は、息子の呼ぶ声で昼寝の浅い眠りから目覚めた。目の前の息子は、外出中の妹が群衆に囲まれているらしいと不安げに言う。侯爵は「亡くなったお前たちの母親も昔そんな目に遭ったことがある..」と一瞬暗い表情を見せるが、すぐに「馬車は頑丈だし護衛も優秀だ。問題はないだろう。」と息子を宥めた。そこへ妹のブランシュが怯えながら帰宅し、怖い目に遭ったから休みたいと言うので、兄は人一倍臆病者の妹のために灯りを用意させ、部屋へいくのを見送った。侯爵が再び眠りに就こうとすると、今度は娘ブランシュの悲鳴が聞こえる。驚く侯爵の元へ従者が現れ「お嬢様はロウソクの影に驚かれたようです。」と告げると、そこへ当のブランシュがやって来た。ブランシュは自分はカルメル会修道院に入り尼僧になりたいと言い、父親に許しを求める。侯爵は「革命下の混乱から逃げるための手段だとしたら、感心できないな」と彼女を諌めたが、ブランシュの決意は固かった。

第2場:カルメル会修道院

フォルス侯爵の娘ブランシュは、カルメル会修道院を訪れると修道院長に面会を申し入れた。修道院長のクロワシーは、どこか患っていそうな高齢の女性だった。クロワシーはまず修道院での厳しい生活を語り、その後ブランシュに何故ここに入りたいのかと尋ねた。ブランシュは「神に仕える高尚な生活を送りたい」と答えるが、クロワシーは「それは思い違いです。修道院とはただひたすらに祈りを捧げる処であり、神はあなたの力ではなく弱さを試されるのですよ」と教える。ブランシュはその言葉に感銘を受けると、涙を流しながら決意が変わらないことを伝え、「救世主の苦悩におけるブランシュ(ブランシュ・ド・ラゴニー・デュ・クリスト)」という修道女名を自ら希望した。

第3場:修道院の食物受け取り室

修道女となったブランシュは、食物を取りに食物受け取り室に来ていた。一緒に来た若い修道女のコンスタンスが、あまりにも明るく朗らかな性格なので、ブランシュは彼女に死が怖くないのかと尋ねた。すると彼女は「修道院長の代わりに死ぬことだって怖くないわ!」と答え、「私たちは若いうちに一緒に神に召されるような気がするの..」と言うので、ブランシュは「そんなこと言ってはいけないわ!」と彼女をたしなめた。
第4場/修道院内の医務室
ベッドの上に修道院長のクロワシーが横たわっている。彼女は自分の命がもう長くないことを覚り、付き添いの副修道院長マリーに、ブランシュの面倒を頼むと言う。クロワシーは、新しく入ったブランシュのことが気掛かりで仕方ないのだ。クロワシーとブランシュは、修道女名も一緒だった。そこへブランシュがやって来るので、マリーは医師を呼びに退室し、クロワシーはブランシュに「いつまでも純粋な気持ちを持ち続けるように」と諭した。ブランシュが部屋から出ていくと、マリーが医師のジャヴェリノーと共に戻り、クロワシーの様子を窺う。クロワシーは医師に痛み止めをと望むが、医師はこれ以上体に負担は掛けられないと了承しない。クロワシーは激痛と闘ううちに次第と錯乱状態に陥り、神を責め、祭壇が破壊される幻覚を見ては取り乱した。修道院長のこんな姿をとても他の者には見せられないと、マリーは修道女たちに最後の面会はできなくなったと告げるが、ブランシュがやってきてクロワシーに寄り添うと、クロワシーはにわかに正気を取り戻し、神への非礼を詫びながら亡くなった。

 

第2幕

第1場:礼拝堂

ブランシュとコンスタンスは、亡くなった修道院長クロワシーの棺の番をしている。鐘が鳴り交代の時間となったので、コンスタンスが次の担当者を呼びにいくと、ブランシュはすぐ横に見えるクロワシーの真白い死に顔に恐怖を覚え、思わず棺の側を離れてしまう。そこへ副修道院長のマリーが現れ、棺から遠く離れ扉の近くにいるブランシュをたしなめるが、すぐに臆病者の彼女には仕方ないことだと思い直し、ブランシュに部屋へ戻る許可を出す。

<幕前劇>

ブランシュとコンスタンスが、棺の中に入れる花の準備をしながら、次期修道院長が誰になるかと話している。コンスタンスは副修道院長のマリーが有力なのではと言い、その後修道院長クロワシーの亡くなる間際の話を始める。彼女は錯乱状態になった時の気弱なクロワシーは、誰か別人だったのだと言い、替わりにその人が神に召される時には、凛とした立派な態度で死んでいくのだろうと言った。

第2場:修道院の訓戒室

新修道院長にはリドワンヌが選ばれた。リドワンヌは全修道女を集めると就任の挨拶をし、クロワシーの死を悼んだ。そして「彼女の教え通りに、これからも神に祈りを捧げ続けましょう!」と力強く語り、修道女たちは一斉に祈り始めた。

<幕前劇>

修道院入口のベルが鳴らされ、ブランシュの兄が妹との面会に訪れる。彼を迎えに出たコンスタンスが、新修道院長のリドワンヌにそのことを告げると、リドワンヌは副修道院長マリーの立ち会いの許でならと面会を許可する。

第3場:修道院の応接室

ブランシュの兄は、久しぶりに妹に逢えたことを喜び彼女に駆け寄るが、ブランシュの態度は何故かよそよそしい。それどころか自分と目も合わせてくれない妹に、気持ちはすっかり暗くなる。兄は妹の冷たい態度を少し責めた後、今や修道院も安全な場所ではないことを父が心配していると告げるが、ブランシュは「自分は神に仕えてから変わったのだ」と、修道院から出る意志のないことを兄に伝える。兄が帰った後、ブランシュは兄が自分の気持ちを理解してくれないことを悲しみ、陰で全てを聞いていたマリーはブランシュを慰めた。

第4場:修道院の聖具室

礼拝堂の神父が、修道女たちにミサを続けることが不可能になったと告げる。宗教の弾圧が本格的となり、とうとう集まりも禁止されるようになったのだ。神父の身を案じたブランシュが彼を引き止めると、神父は「一般市民の服装になるから大丈夫だよ」と彼女に言い立ち去るが、すぐに兵士と群衆から逃れるために戻って来る。しかし自分がここにいては皆にも危険が降り掛かると、また裏口から出ていった。程なくして修道院の入口のベルが鳴り、警部など警官たちが大勢詰め掛け、建物の明け渡しと宗教活動の禁止を言い渡した。服装も市民と同じにするよう法律で決まったと言う。彼らが去った後、ジャンヌ修道女長は「修道院長がパリへ連行されました」と皆に告げ、持っていた王様の陶器人形を見せた。そして「この王様から強い力が貰えるはずです!」と、いちばん若いブランシュに人形を手渡したが、ブランシュは手が震えてそれを床に落とし壊してしまう。ブランシュは「もう王様はいなくなってしまった!残されたのは神の子羊のみ..」と涙を流した。

 

第3幕

第1場:壊された礼拝堂

礼拝堂は破壊された。辛うじて残った建物の中で、修道女たちは密かに最後の集会を開くことにする。そこには神父の姿もあった。副修道院長のマリーが皆に向かい「祖国と教会のために殉教して、神に命を捧げるべきなのでは..」と言うので、一同は一瞬息を呑むが、彼女は一人でも反対者がいれば無効にしようと提案し、皆は一人ずつ神父の前を通り過ぎながら、自分の意見を彼にのみに告げることにする。神父から結果を聞いたマリーが「反対者一名」と発表すると、突然若い修道女のコンスタンスが前に出て来て「その一人は私なのですが、考えを変え私も殉教を誓願致します!」と叫んだ。その後修道女たちは誓いを立てるために神父の前に並んだが、いつの間にかブランシュは、その場から逃げ出していた。

<幕前劇>

一人の将校が修道女たちの許を訪れ「聖職者との接触禁止、及び宗教活動の停止を誓約せよ!」と申し渡し去っていった。彼女たちは一人ずつ順番に、誓約書を書きに事務所へいかなければならないという。修道院長のリドワンヌは、隣にいた修道女のジェラルドに「今日密かに行うはずだったミサを中止すると、神父様に伝えてください」と頼む。その後副修道院長のマリーは、一人どこかへ出掛けていった。

第2場:元フォルス侯爵邸の書斎

ブランシュはフォルス侯爵邸に戻っていた。しかし元の屋敷の面影はなく、屋敷の主人も別の人物だ。ブランシュの父であるフォルス侯爵は革命軍により処刑され、ブランシュは隠れるように使用人としてこの屋敷に住んでいた。そこへ副修道院長のマリーがやってきて、ブランシュに戻って来るよう告げる。ブランシュは死への恐怖を訴え、神は恐れることを罪とするのか?とマリーを問い質す。そして「自分を守ってくれる父がいない今、恐怖に怯え続ける私は軽蔑されるべき人間なのです!」と嘆く。マリーはブランシュを哀れに思いながらも「天にこそ救いはあります。最大の不幸は人から軽蔑されることよりも、自分を軽蔑することですよ」と言い、一晩近くの知人の家で待つので、考え直して出向くようにと知人の住所を知らせた。ブランシュが「いきません」と答えたところに、「ブランシュ!仕事だ!」と主人の怒鳴る声が響いた。

第3場:コンシェルジュリー刑務所内の独房

カルメル会の修道女たちは牢の中にいた。修道院長のリドワンヌは、不安げに座り込む修道女たちに向かい「皆さんの苦しみや恐怖は、誓願の場にいなかった私が全て引き受けます。誇り高き皆さんには、ただ名誉のみが残りますように!」と言い、優しく「牢獄での最初の夜は終わりました.. Mes fills viola que s'acheve notre premiere nuit de prison」と歌った。皆が心を震わせながら各々の気持ちを噛み締める中、ふと若い修道女のコンスタンスが「ブランシュは何処へいってしまったのかしら..」と呟いた。私にも分からないと言うリドワンヌに、コンスタンスが「ブランシュが戻って来る夢を見たから、きっと彼女は戻って来るはずだわ!」と言うので、皆は笑う。
そこへ獄史が現れ全員の名前を読み上げると、革命政府の反逆者として修道女たちを全員死刑に処すると言い渡した。獄史が去った後、皆の想いを一つにすべく修道女たちは胸の前で十字を切り、若いコンスタンスは神に想いを馳せるかのように、潤んだ目で遠くを見つめた。

<幕前劇>

街中でマリーと神父が顔を合わせる。勿論二人共市民服だ。マリーは前の晩知人の家でブランシュを待っていたが、結局ブランシュは現れなかった。マリーは神父から修道女たちが捕えられ死刑宣告を受けたと聞き、自分も早く皆の許へいかなければと走り出すが、神父はそれを制し「きっと神があなたの命を救うことを望んでおられるのですよ!」とマリーの両肩を強く抱く。マリーはその手を振りほどくと「それはとても不名誉なことです!」と言い、その場を立ち去った。

第4場:革命広場(コンコルド広場)

大勢の市民が集まる中、修道女たちを乗せた馬車がやって来る。彼女たちが降ろされた場所は公開処刑場だった。1列に並んだ聖女たちの顔に迷いはなく、全員で祈るように「幸いなる女王 Salve Regina」(キリスト教聖歌の聖母マリアを讃える歌)を合唱し始める。その中にマリーの姿はなかった。1人ずつ断頭台へ進む彼女たちのために、群衆の中に紛れている神父がそっと十字を切り祈りを捧げる。そしてギロチンのロープが単調に動き始めると、その刃は鋭い光を放ちながら上下に行き来し、美しい歌声を1つずつ消し去っていった。とうとう最後の1人になった時、歌声の主であるコンスタンスは、群衆の中にブランシュの姿を見る。コンスタンスはブランシュに微笑みかけると、次には凛とした面持ちで歌い続け、断頭台へと登っていった。その時..突然群衆を掻き分け、ブランシュがコンスタンスに続き断頭台へ登った。そしてブランシュも「Salve Regina サルヴェ・レジーナ..」と歌いながら、自らの首をその硬い木の上にのせた。鉄の落ちる鈍い音と共に最後の歌声は途切れ、静かに幕が下ろされる。

プログラムとキャスト

<スタッフ・キャスト>

 

指揮:János Kovács

ブランシュ・デ・ラ・フォルス:Gabriella Létay Kuss

フォルス侯爵:Anatoli Fokanov

騎士フォルス:Gergely Boncsér

クロワシー:Lívia Budai

リドワンヌ:Zita Váradi

マリー(副修道院長):Gabriella Balga

コンスタンス(若い修道女):Zita Szemere

ジャンヌ(修道女長):Éva Balatoni

マティルド(修道女):Melinda Heiter

礼拝堂神父:János Szerekován

 

演出:Ferenc Zorn

舞台装置:Éva Szendrényi

衣装:Gergely Zöldy Zöldy Z

脚色&ハンガリー語字幕:Judit Kenesey

英語字幕:Arthur Roger Crane

合唱指揮:Gábor Csiki

チケットを購入する
MAY 2020

エルケル劇場

もともと1911年にオープンした、エルケル劇場ハンガリー最大の劇場の建物です。その歴史は、すべての音響オペラ伝説と考えられている建物の舞台を飾ったルチアーノ·パヴァロッティ、プラシド·ドミンゴ、エヴァマートングレースバンブリーのような著名人で、ハンガリーのオペラ公演の黄金時代と密接に絡み合っている。 

 

2007年に閉鎖を、次の疑問が、その運命に5年以上までシャッターをされた後、ハンガリー政府は昨年、ハンガリー国立歌劇場が適した規格にエルケル劇場を改装することができ、劇場の更新のための補助金17億フォリントを提供性能を保持する。 

 

改装の多くは、ソリスト、共有ドレッシングルームと改装と拡張共用エリアで、舞台裏で行われました。建物のサービスシステムは、(水、配管、暖房、換気)も最新の状態にしてきたほか、舞台の技術的な装置は、重要な近代化を施しました。 

 

あらゆる努力は、建物の素晴らしい音響特性が変化しなかったことを確認するために行われている間聴衆は今、完全に新しい表情で講堂にステップインします。大幅に快適性を向上します要因は、座席エリアに設置され近代的な換気システムです。席数は、より多くの快適さのための座席の列を再装着により1819まで1935から減少してきたが、劇場はそれにもかかわらず、ハンガリーで最大容量の劇場としてその地位を保持して - と東欧中央ヨーロッパ。

類似したイベント